平成19年 12月号 KEY WORD 〜 自然科学 〜

 今年も1年を振り返る月になってしまいました。昨年のOIRONのKey Wordは「真実」でした。内容は、我社はトラブルやアクシデントには正面から偽りない対応を行う、と皆さんと約束したものでした。今、世間では「赤福」しかり「船場吉兆」しかりであります。企業が不正を行った時に、言い訳三段法があると言われています。@私は知りませんでした。A会社の指示でなく現場がやりました。B嘘でした。ごめんなさい。惨めなことです。来年もこのKey Word「真実」は我社の大きな柱にします。勿論、諸君達の報告書・予定書をはじめとする多くの提出物にも、真実を記し、話してください。
今年の1月号のKey Wordは「計」でした。これも大きなメッセージが含まれていました。もし時間があるならば再読してください。OIRON通信は我社の「経営」「方向性」の羅針盤です。持っていない人は小沼部長にもらってください。
私は、今年、多くの旧友に逢いました。7月には大学時代の友人と旅行し、11月12月には中学校の同窓会・高校の同窓会があり、青春時代を過ごした友達と再会し、親交を深めました。私の中学時代は高校進学率が40%でした。家庭の事情で進学できない生徒が多く、成績より社会情勢が大きな壁になっていました。幼稚園や保育園もなく、小学生時代は給食もなく、映画ALWAYS三丁目の夕日に出てきますが、弁当を持ってこられない生徒は、学校の裏山で時間をつぶして午後の授業に出席していました。
私の故郷は、地域的には教育の過疎地と言っても過言ではありません。外国から美術館に有名な絵画が来ていると聞いても、それは東京か名古屋です。東京なら1泊、名古屋なら丸1日がかりです。しかし、教育の過疎地でも、自然(虫や木や花)では発展地域でした。私は、虫を捕る道具は全て自分で作りました。鳥を捕る方法も鳥の種類によって異なります。私は雀捕りの名人で、竹・木・網・たこ糸で作りますが、細かい作業の出来が勝負です。同じように作っても友人の捕獲器には雀は入りません。微妙な違いが結果を左右するのです。私は今でも同じものを作れる自信があります。
同世代の私の友人は、東京生まれで、幼稚園に行き、小学校は初めから弁当ではなく給食だったそうです。図書館には本があり、美術館へは1時間かからないという、教育環境としては発展地域で育ちましたが、逆に自然環境には恵まれていなかったようです。同窓会では、発電機を作った話や、カエルやドジョウを捕った話に花が咲きました。同じ話を東京の友人にしても実感はわかないようですが、目は輝いていました。ブーメラン・竹とんぼ・ヒゴ飛行機、全てが自然科学の方式に添って作らないとうまくできません。地域・世代は変わっても、物作りの方式は変わっていません。
我社が来年1月から開校する「体験塾」は、自然科学をふんだんに取り入れ、その感動を文章にするものです。失敗してもいい。何故失敗したか。それは自然科学に添わなかったからであり、その原因が分かればいいのです。私が子供の頃得た「自然からの贈り物」友人が得た「都会からの贈り物」両方を小学生に体験してもらいたいものです。学力だけ身に付けても、それは教育の過疎だと思います。私達人間も自然の中で自然の法則によって生きています。自然の法則を体験することは、知識として一生使うことができるでしょう。カリキュラム・レシピはできましたが、エンジョイするのは皆さんであり生徒です。方向性は間違っていません。塾・学校をはじめとして教育現場は猛スピードで変革している時代です。このスピードは加速され、年々速くなっていくと思います。変革の先駆者になるか?流れに添っていくか?取り残されていくか?その選択が会社発展の鍵となります。皆さんと一緒に先駆者になりましょう。
ホンダのロボットは接客もできる「アシモ君」。トヨタのパートナーロボットはトランペットを吹きバイオリンも弾きます。自動車業界は、国内販売が減少しているため、次の商売をロボットにおいています。体力のある時に次の商売を考えています。今や自動車はロボットが作っていますから。
先に同窓会の話をしましたが、中卒・高卒・大卒と会話に微妙な違いがありました。学問をうけるには一番いい「時期」があります。我が社の通塾生の全てがその「時期」です。そして、教育の有無は年を重ねてからわかってくるものかもしれません。              (典)

ページの先頭へ
ページの先頭へ

平成19年 11月号 KEY WORD 〜 変わる努力、変わらない努力 〜

 以前にも書きましたが、私は銀座が好きで、月数回訪問します。目的は買い物ではありません。変わる銀座と変わらない銀座を見るためです。この両極端な言葉はミスマッチのように聞こえるでしょうか。日本の・・東京の中心で繰り広げられている現象です。「変わる」「変わらない」の後に「努力」という文字が付きます。「変わる努力」をしているのはデパートやブランド品のメーカーです。今年11月にはアルマーニの大きなビルも完成し、日本人ほどブランド品が好きな民族はいない、を証明するかのようです。ヨーロッパのブランド品はほぼ全て銀座で購入できる世の中になってきました。
逆に「変わらない努力」をしているのが老舗の経営者です。変わるための努力は必要でしょうが、変わらないためにも努力は必要なのでしょうか?このような質問が出るのは当たり前ですが、だからこそ努力の2文字が付くのです。老舗の多くは銀座通り、外堀通り、晴海通りのような幹線道路より1本路地に入った所に店舗があります。変わる銀座は最大手の不動産会社が力と金で変化させています。変わらない銀座は「老舗若手7人衆」と名付けて連帯しながら、変わる銀座と共栄しています。どちらが良いか悪いかを問うつもりはありませんが、変わらない銀座の老舗は、場所が変わらないだけで、店頭・店内・商品は私が訪れるたびに変わっています。1年を四季に分け、月に分け、週に分けて、工夫と努力をしています。私は銀座に行くたびに、今回は?と期待に心をはずませます。
最近、地方格差という言葉を聞きます。先週、仕事の関係で関西方面に出かけたとき、松阪市・伊勢市に立ち寄ってきました。そこで地方格差を目の当たりにしました。伊勢市では赤福・御福餅が不祥事を起こし、商売に「偽」は禁物であるという教訓を得ました。話を元に戻しましょう。銀座と比べるつもりは全くありませんが、両市とも夏は夕方7時に冬場は6時に、殆どの店が店仕舞いとなります。私が高校生の頃には考えられなかった早仕舞いです。その上、もっと驚いたのが、私の高校時代から何の変化もない店があったことです。約40数年です。懐かしい気分も少しはありましたが、これを地域格差として見過ごしていいのでしょうか?
その日は鳥羽に泊まり、次の日、昼間の顔を見たくて、再度両市に行きました。店は開いていましたが、レジの後ろには10月にあった市民運動会のポスターが・・中には春の桜祭りのポスターが貼ってある店もありました。銀座では・・我社では・・考えられない光景がそこにはありました。道路には街路樹の落葉が散乱していました。格差是正を政治に頼むより、まず自分からだと思います。日本の地方の多くは似たり寄ったりではないでしょうか。私は地方の首長、商店主、そして我社の社員に「変わる努力」と「変わらない努力」を見つけてもらいたいと思います。良いサンプルが銀座にあります。「目から鱗が落ちる」という表現がぴったりだと思います。
「中国古典の名言録」守屋 洋著(東洋経済新報社)より。中国古典の名言録と言えば、孔子の論語であったり孟子であったりしますが、商売の心得を論じたものに「商君書」(?〜338年)があります。26編ある中で、1つを紹介しましょう。聖人は古に法(のっと)らず、今を脩めず。古に法れば則(すなわ)ち時に後れ、今を脩すれば則ち勢いに塞がる。守屋先生は次のように訳されています。すぐれた指導者は、昔のやり方を見習おうとしない。さればといって、今のやり方に固執しようともしない。昔のやり方を見習おうとすれば、時代の流れに取り残されるし、今のやり方に固執すれば、時代の変化に即応できなくなる。時代の変化を見きわめて、臨機応変に手を打たなければならないのだ、ということです。
今年も残すところ1ヶ月強であります。今年の反省は12月号にしまして、今考えなければいけないのが、「変わる努力をする専修」「変わらない努力をする専修」         (典)

ページの先頭へ

平成19年10月 KEY WORD 〜 隠れた富 〜

 今から30数年前、私が営業部員として社会に出た時、上司からの命令は売上額でありました。会社によっては壁に棒グラフを用いて、月単位・年単位の売上額を示されていました。営業会議の初めには、現在までの売り上げ、終了間近には次回までの目標額を言わされたものです。そして80年代後半からは、いかに利益を生むかが問われました。売り上げよりも利益、損益計算書の経営利益金額でした。しかし、近年「企業価値」が産業界や国民の関心を集めています。原因は90年代の後半から会計制度が改革されたことや、企業のM&Aや合併があったことです。
では、企業価値とは何でしょうか? それは「その会社の存在が社会にいかに役立っているか」を金額に換算したものです。上場企業であるならば、株式時価総額でいいでしょうが、我社のような会社はどうすればいいのか? 会社の存在が社会にいかに役立っているかということと、貸借対照表や損益計算書とはあまり関係のないように思われます。勿論、社会に役立っているなら利益も確保できるでしょう。
私がある本を読んでいる時、企業価値には「隠れた富」があると書かれていました。私はこの「隠れた富」こそが、我社の企業価値だと思いました。「隠れた富」は無形ですから貸借対照表の資産項目や損益計算書には出てこないと思います。小学生の絶対数が減る中、大手進学塾は、小学生の生徒数を伸ばしています。特に中学受験部門が大幅に伸びています。そこには無形のノウハウがあります。長い間培ってきたスタッフの頭脳や勇気ある変化もあったと思います。しかし、今はその塾に入塾しないと体験できないから入塾するのでしょう。このノウハウは数字で表せないから隠れた富の1つです。
昨日、TVで小さな写真屋さんが映し出されていました。間口も狭く、店先にはフィルムと埃をかぶったカメラが並んでいました。しかし、この店は、夫婦2人で月に800万円の売り上げを得ていました。そこでTVスタッフは、1週間店先にカメラを設置しました。結果、何と1日に店を訪れた人は数人、1日1人の時もありました。スタッフは店のご主人にインタビューに行き、売り上げの元を尋ねました。ご主人曰く、「写真の現像や焼き付けは月に何本もありません。」この写真屋さんはインターネットでお客から写真を送ってもらい、その写真をデザインして、キーホルダー・携帯のストラップ・カンバッジを作り、配送している店だったのです。経費はほとんどかかっていません。9割が利益です。ご主人のデザイン能力によって、世界に1つしかない品物を提供していたのです。始めた頃は、月に数個しか注文がなく、はたして営業していけるのか、と思ったようですが、今や捌ききれない程の注文があるそうです。インタビュアーが「同業者は?」と尋ねても「知りません。」との答え。この写真屋さんは、自分のアイデアで、自分のデザインで成功しました。この店主の頭脳が「隠れた富」なのでしょう。
我社にも「隠れた富」はあります。ステップテスト・リピートテストはそれらの中に入ると思いますが、学習塾・個別塾の形態的には変わりません。キッズラボや体験塾を成功させれば我社の大きな「隠れた富」になります。先に述べた大手進学塾のノウハウは、1年や2年で出来上がったものではないでしょう。社員全員で取り組んだと思います。知恵や知識を集めるために勉強もしたでしょう。現在は、時代の流れが早いから、新しい情報を絶えず注入しなければなりません。
勉強の機会や場所はいつでもいくらでもあります。私は99年から午前中や土曜日を有効に使い、ある大学に通学しています。私の学生時代は、教授が何年も前に執筆した教科書でしたが、今、私が使用している本には、ホリエモン・村上ファンドの件も掲載され、文字に出来ないことは教授が説明してくれます。勉強しないと「隠れた富」は作れません。我社に不足しているのはこの勉強かもしれません。勉強しない君が生徒に「勉強せよ」と言えますか? 時間に追われて?!!それは計画性の欠如。
時間は追われるものではありません。追っていくものです。         (典)

ページの先頭へ

平成19年 9月号 KEY WORD 〜 年の劫 〜

 アンデルセンの童話は、人生で3回読むと良い、と言われています。よく耳にするものには、人魚姫やみにくいあひるの子などがあります。日本では内容をかいつまんで短くして絵本になっている場合が多いようですが、本文通りに訳された「アンデルセン童話集全7冊」大畑末吉氏訳で発刊されているものが一番良いと思います。アンデルセンが31才(1835年)の時、第1集が出版されました。今、私は3回目の読破に挑んでいます。内容は皆さんもよくご存知と思いますが、勧善懲悪や因果応報を通じて、人生に戒めや希望を与えています。人生哲学と言っても過言ではないでしょう。中でも「みにくいあひるの子」は、あらゆるところで使いました。できれば皆さんも童話集の短編でなく本文(長文)を読んでいただきたいものです。
私は今年の8月で61才になり、よく世間で言われる「亀の甲より年の劫」で、今まで見えなかった物(者)がよく見えるようになったと感じています。今回のOIRONは、まだまだ年の劫とは言えないかもしれませんが、気の付いたところを話したいと思います。
まず、「他人には厳しく自分には甘い」ということについてです。組織が出来上がってくると、どうしても問題になる人間関係だと思います。実力を持ち合わせていて、過去現在も結果を残しているならば、多少の我慢もできますが、単なる役職名が冠に付いただけで、相手に対して厳しくあたる人がいます。問題を提示すれば、それは自分の担当ではないからと逃げたりします。後で提示された問題を聞いたことがないとか、失敗した事項については自分には関係ないと責任を全く感じず、責任を取れない人です。
大げさな表現になりましたが、上に立つ人は考えなければいけないことだと思います。しかし、上に立つ人には、それなりの責任があり、責任遂行のために部下に厳しくあたらなければならない場合があります。会社にも組織にも目標があり、その目標達成のためには厳しい言葉になるでしょう。しかし、この責任論と「自分への甘さ」は大きく異なります。自分にも厳しい人は、目標達成のために本人も汗をかき、アイデアを出し、一緒に笑い、泣き、1日でも早く、1時間でも早く目標達成・成功に邁進してくれるでしょう。そして不安も多い中、失敗は絶対許されないと心の中でつぶやいています。職員全員で「他人に厳しく自分に甘い」を考えてみてください。
次に気が付いたことは、仕事や行動の重さ軽さが区別できず、「行動の順位をつけられない」ということです。車に乗っていても、混んでいる道、遠回りの道を選んで走行している人がいます。その道しか知らないわけでもなく、頭の中で整理がついていないのでしょう。整理でなく考えていないのかもしれません。何故、出発する時、行程の青写真を描かないのでしょうか。混雑や事故があった時は、抜け道まで青写真に描けばスムーズに目的地に着くはずです。また、授業でも同じことが言えます。生徒にとって今何が一番必要で、二番目は、三番目は・・・個人によって違う時がありますが、その正しい順位が見つかると、生徒の成績は必ず上がってきます。教える順番を間違うと、成績は上がりませんし、退塾につながってしまいます。生徒との人間関係においても、言葉やアドバイスの順番が違うと、心が遠くなるものです。よって、退塾につながることになります。
教室運営でも会社経営でも、今自分が身に付けなければならない知識や行動に順位をつけてください。今、二人の上司から同時に課題を与えられたとしたら、あなたは何を以って順位を決めますか?天秤にかける時、何を重視して重さを量りますか?上司の役職ですか?仕事の内容ですか?解決するまでにかかる時間の多少ですか?それとも、あなたの好き嫌いですか?片方を信頼のできる部下に任せますか?私はどれも正解だと思います。「すぐ、やれば!!」
順位を付けられる人は、ボケッとしたり、無駄な時間をかけたりしません。何故なら仕事の順位が追いかけてくるからです。アンデルセンを読んでください。何かが見つかります。

ページの先頭へ

平成19年 8月号 KEY WORD 〜 教訓 〜

私達の回りには、教訓としたい事柄が毎日のようにあります。先月の参院選においても学ぶことが多くありました。中でも安倍総理の言葉の軽さには驚きました。「私と小沢さんのどちらが総理にふさわしいか、国民の考えを伺う」と言っておきながら、負ければ、「国民に約束した新しい国づくりに向けて改革を続行していくことが、私に課せられた使命だ」と答えています。最初の言葉は自らの責任と信任を国民に問う、素晴らしい決意表明でしたが、2日後には後の言葉で総理続行となりました。私を含めて、上に立つ者は言葉の重さを常に自覚して発言しないと、信用が一瞬にして崩れ落ちます。この2つの言葉を子供から質問されたら、安倍総理は何と答えるのでしょうか。子供に「言ったことは守りなさい」と言えなくなります。その上、安倍総理は教育改革の必要性を唱えています。子供に説明できない事柄を平然と発する人に、教育改革はやってもらいたくないと思います。教訓の1つです。
私は先月23日から3泊4日で尾瀬沼を踏破してきました。早めの夏休みをもらい、自然を満喫してきました。ここでも大きな教訓を得て、我社の方向を改めて確認してきました。行ったのは学生時代の同級生とで、卒業後毎年、年1度旅行をしています。大病をした友がいて、2年間は休みましたが、30数回の旅行を重ねてきました。4人組ですが、リストラにも合わず、若い頃は仕事の話が中心でしたが、今回は年金が話題の中心でした。10年後はお墓や老人ホームが話題の中心になるのかもしれません。
話がそれました。今回、尾瀬の山小屋に1泊しましたが、「環境」という事柄が徹底されていました。私は高山植物の採取禁止くらいのつもりで登りましたが、木道以外の所に足を踏み入れようものなら、他の登山者に大声で注意されます。湿原に足跡が付き、1cm踏み込めば復元するまで10年かかりますよ、と驚かされました。山小屋の風呂は、洗面器2杯までのお湯で済ませなければなりません。食事時間は、夕食は6時に決められています。朝食は5時30分から30分間です。歯磨きは許されるものの歯磨き粉・シャンプー・石鹸は使用できません。食事は精進料理のごとく粗末なものでしたが、料金は旅館並みです。極めつけはトイレでした。紙は分解できないとの理由でペーパーは捨てることができません。ウォシュレットは全ての便器に付いていますが、使用したペーパーは備え付けの箱に入れるようになっていました。9時の消灯5時の起床。ここ以外では文句も出るでしょうが、約250人の宿泊客は一言の文句もなく従います。私達もその一員でした。何故でしょう。尾瀬には不自由さよりも、それ以上の景色・空気・環境・自分を見つめる時間、があるからです。満足と不自由さを天秤にかけると、満足の方がはるかに重いからです。
私達の塾や授業も絶えず天秤にかけられています。サービス業は多くの業界の中でも一番天秤にかけられやすいと思います。サービス業には大筋で2通りの経営方針があります。ホテル方式と老舗旅館方式です。ホテル方式ではお客様の注文にNoはありません。洋食がいやだと思えばすぐ和食に変えられるし、それが当たり前のことです。もっと細かいことを言えば、寿司のイクラをウニに変えてくれと言えば、お客様の注文が天の声なのです。しかし、老舗旅館方式は尾瀬と同じです。形は変えず満足してもらう方式です。
私は創業以来、老舗旅館方式を掲げてきました。時間割で小学生の習い事と自社の時間割が重なれば、他と自分の授業が天秤にかけられています。自分の方が重く評価されなければ生徒は逃げていくでしょう。中学生ならば、他塾の指導者と天秤にかけられて、軽いか重いかの決定が下されます。この老舗旅館方式は、自分を絶えず磨き、誰にも負けない知識と教養と指導力そしてリーダーシップを身に付けることが必要です。キッズラボ・10月から始まる体験塾は習い事3と、専修学院・個別指導は他塾と天秤にかけられています。我社は老舗旅館方式です。ですから職員全員の頭・心、両方とも老舗旅館方式にしてもらいたい。本当の敵は君の心の中に潜んでいるのかもしれません。

今月は決算月です。何をすればいいか理解していますね。

ページの先頭へ

平成19年 7月号 KEY WORD 〜 日本っていい国 〜

One by oneの7月号は今までにない内容でした。興味深く読ませていただく中、若い社員の気迫が感じられました。中でも安斎君に対するインタビューは、社内報としては初めてだったのではないでしょうか。以前、短編ではありましたが、これ程の長編は・・・インタビューの中に、学校行事に参加したくだりがありましたが、学校行事に参加するのは、我社の特徴でもありまして、私も現役の時は、文化祭・体育祭に参加したものです。いつもと異なる塾生の行動が見られ、塾生が私の姿を発見すると、どういうわけか連鎖的に伝わり、多くの塾生に囲まれ、少し恥ずかしい思いをしたこともありました。生徒のご父母様に会うと、「お忙しいところ来ていただきありがとうございます。」と声をかけられたものです。当時は、塾の指導者で学校行事に参加していたのは、私だけでしたから、目立ったのでしょう。この方法が我社の持ち味だったのです。
中には面白いエピソードもあります。ある学校の体育祭での出来事でした。クラス対抗リレーでバトンは塾生に渡りました。しかし、彼はバトンを受け取った瞬間転んで、バトンが彼の手から離れてしまいました。彼は立ちあがりバトンを探して拾うと、遅れを取り戻そうと一目散に走り出しました。しかし、その方向は逆方向だったのです。私は目の前の出来事に、慌てて塾生の名前を叫び、必死に手で逆の合図を送りました。彼は私と目が合い、正しい方向に走り出しました。無我夢中の出来事でしたが、後日、この事が塾生の間で話題になったそうです。市内で彼のお母さんと会った時、大笑いしたものです。毎年、卒塾生の同窓会もありました。
これは塾外でのことですが、授業の中でも我社の特徴があります。数学の得意な生徒がいました。入塾は4年生の時でしたが、5年の時は飛び級で、上の学年の授業を受け、6年生の時には関数を勉強していました。私の友人である春日部共栄高校の矢口校長先生とは、教育方針で話が合うのですが、彼は学生時代に数学専門の学習塾を経営し、幼稚園児から高校生までを指導していました。小学生で優秀な生徒が通塾しており、その生徒が小学5年生の時に微分積分を教えたそうです。それを理解していたことに私は驚きましたが、数学という教科は、得意な生徒の中には、短い指導で3言えば10理解する生徒が多い教科でもあります。生徒一人一人を指導するには、塾内、塾外を見て、「アンテナを張れ」が我社の特徴・・差別化でした。7月号の社内報はそれを私に思い出させてくれました。
我社の社員全員に上記の事をせよとは、現時点では言えませんが、頭の隅に置いてもらいたいものです。できれば若い編集者諸君も話し合ってもらいたいテーマでもあります。
政治の場では、学校で「愛国心」を指導しようとしていますが、我社では日本文化について指導したいと思っています。「文化」と文字にすると堅く難しく思われますが、日本のいいところを生徒と話し合えないか?と考えているのです。授業の箸休めに、休憩時間に「日本ってこんないい国なんだ」と・・・
例えば、日本は小さい島国と言われますが、確か、国連加盟国では広さは45番目です。しかし、北緯25度から45度まである国は他にあるでしょうか。亜寒帯から亜熱帯までの気候です。果実で言えば、リンゴからバナナまで採れます。細長い国としてイタリアがありますが、イタリアはリンゴからみかんまでで、バナナは採れません。地下資源の鉱物はありませんが、ミネラルを含んだ水があります。国民が使用している文字も、ひらがな、カタカナ、漢字、ローマ字と4種類もあり、このような国は他にありません。一国で英語・フランス語・ドイツ語と3ヶ国語が通用する国はありますが・・・技術的にも世界に誇れるものがあります。昨日TVで紹介されていましたが、来年売り出されるボーイング787のジェット機の胴体と主翼は、カーボン繊維で、日本でしか作れないそうです。その上、燃費は20%カット。諸君は、小・中・高・時代授業外で先生が話された逸話・・今でも覚えているでしょう。それです。
昨年我が家にホームステイしていたスイスのアウレル君は、スイスの自慢をたっぷり我々に話して帰国して行きました。塾生には未来があり、外国で羽ばたく青年が出るかもしれません。そのためにも、日本の自慢集を作り、配布してもらいたい。我社に勤める約170人から集めれば、面白いものができると思いますよ。

One by one編集部、期待しています。これも差別化です

ページの先頭へ

平成19年 6月号 KEY WORD 〜 アイダック 〜

  我々の周りには、多くの法則や決まり事があります。中には戦後一度も変わることがなかった日本国憲法があります。同じ立法府が作る法律は毎年変わっている感じがします。しかし、「商売の世界では何世紀も前から変わっていない法則があります。」物品が売買される時、サービスを提供したりされたりする時、私達の財布の紐が緩む時、必ず働くAIDAC(アイダック)の法則です。これは言葉の頭文字を集め取ったものです。Attention(注意)Interest(興味)Desire(欲望)Action(行動)Congratulation(祝福)
具体的に話しましょう。Attentionは教室の掃除や玄関の整理整頓です。One By One(会社報)で毎度話し尽くされていますが、生徒の自転車がきれいに整列されていたり、入退室の生徒が大きな声で挨拶したり、職員同士が「ありがとう」と言っていれば、多くの人は他社との違いを感じるでしょう。逆に、自転車はバラバラ、1ヶ月前の行事予告版が平然と張られていたり、職員が屯してふざけていたりしたら、逆差別されるでしょう。商売の最初は、お客様に注目されることです。中味がいくら良くても、初めてのお客様には伝わらないし、大きな利益を無くすことになります。白衣の汚れ、ボタン、ネクタイ、ストッキング(女性)は大丈夫でしょうか?
Interestはいかに興味を持ってもらえるtalk内容であるかです。ある私立高校は、入学式を終えたばかりの新入生に、3年後の生徒の姿を見せる青写真を描いています。本人の志望する大学に行けば、何が学べ、どんな道が開けるかを指導しています。又、ある高校は100%就職を達するために、3年間いかなる学習をするか、指導しています。これらの指導を受けた生徒の夢は広がり、学校に自分の人生に大きな興味を持つでしょう。生徒がリピートテスト、ステップテストに興味を持つような説明をしていますか?興味を持てば次のDesireで1点でも良い点を得ようとします。しかし、単なるデータとして、上司の命令と思いながらでは、生徒に興味を持たすことはできないでしょう。興味と欲望は難しいと思っている指導者がいますが、私は間違っていると思います。大きな興味・大きな欲望をかきたてなくていいのです。生徒一人一人が感じるもの、小さい興味でも大きく膨らむ手助けをしてあげることです。私の知り合いで、勉強嫌いだった小学生が、担任の先生からの「君はボールを蹴るのが上手だね」の一言で、今体育の先生になっています。興味・欲望は、退塾を防ぐことに繋がります。
Actionは、興味があれば欲しいと思い、買ってしまいます。私は銀座が好きで、月に3〜4回行きます。決まった曜日ではありません。午前・午後・夕方・夜、人の流れは時間と曜日で異なりますが、AIDACが整備されている店はいつもお客様が入っています。そしてその店で買い物をすると、おつりは新券です。買った品物は出口まで持ってきて、「伊藤様、これは銀座店だけのオリジナルです。よくお似合いになると思います。ありがとうございました。」と深々と頭を下げます。この行為、言葉がCongratulation(祝福)です。買った私は翌日、その品を身に付け、次回もその店を覗くでしょう。以前、出迎え3歩、見送り7歩の話をしましたが、これはリピーターを獲得する秘訣です。では、君の教室のCは何か?考えてください。同時に君の教室のAIDACをチェックしてください。良い人材を募集・獲得する事にも通じます。
3つの五(語)も以前OIRONに書いたと思いますが、AIDACに通じますから、もう一度話しましょう。我々が人と会って、寸時に判断できるのは5mまで近づいた時です。頭上から足先まで視野に入ります。初対面ならば、相手の服装のセンス、汚れ、眼鏡、帽子、靴。知り合いならば、いつもとの違いを見て、その人となりを頭に入れます。それが5mの判断です。50cmまで近づくと、肩から上が視野に入り、特に顔の部分に注目します。顔色、ヒゲ、化粧、鼻毛、リップ、汚れで1つの判断をします。ここまで好感が持てても、最後の語(話し方)が支離滅裂であれば、判断はいかがなものか?
うまく話せとは言わない。真剣に誠意を持って対応せよ。これもAttention だ。
合宿の募集もAIDACだよ!!

ページの先頭へ

平成19年 5月号 KEY WORD 〜 錯覚 〜

  私達人間は弱い生き物である、とよく言われます。しかし、自信のある事柄や趣味に通じるものであれば、強くもなれるし、ポリシーも生まれます。以前、自信とは「計画に向かって進んで行く時の副産物である」と話したことがありました。その時使用した例として、《車で目的地に行く途中、道が2つに分かれているが、表示板がない。素早く判断して1つの道を選択したが、道がだんだん細くなり、本当はもう1本の道ではなかったか?と不安になり、引き返そうかと思う。しばらくすると目的地の表示板が目に入り、選択に間違いなかったことを知り、「自信」が生まれる。》という話がありました。何かを興す時、最初から自信があるわけではなく、進んで行くうちに、心の底から湧き上がってくるから、自信とは副産物なのです。
自分では自信だと思いながら、実は錯覚であった例を今回のOIRONの題材にします。彼は有名大学卒業後、生保の会社に就職しました。会社では外国為替相場担当になり、億単位の金額を動かしました。円が微量に変化するだけで、利益も損失も億単位です。彼はそれなりの成績を上げていましたが、人事異動で他の部署に移動命令が出ました。彼は会社に大きな利益を与えたことに自信を持ち、経営能力があると思い込み、独立しましたが、倒産しました。彼の抱いたものは自信ではなく錯覚だったのです。彼の動かしたお金は会社の物。彼が得た情報も会社の物。彼の席は会社にあったのに、本人は自分の身に付いた能力と錯覚していたのです。
同じような例が他にもあります。5年前、彼は、ある学習塾の教室長を務め、生徒にも人気があり、増強も思うような結果を得ました。経営者からも信用があり、担当教室の時間講師の手配や生徒の面接も全て行い、何一つとして経営者の手を煩わすことがありませんでした。しかし、自分の給与と月謝入金額の差が大きすぎ、納得いかない日々が続きました。そこで彼は生徒を連れて独立しました。9割以上の生徒が彼の元に通塾しました。彼は教室運営、塾経営に自信があったのでしょう。しかし、今年の3月に倒産しました。彼の自信は錯覚だったのです。
生徒が集まり、教室運営が良好だったのは、後ろに会社のネームバリューとしっかりした経営方針があったからなのです。教室運営と塾経営は全く違います。彼の授業はプロの職人だったのでしょうが、経営は職人では務まらない世の中になっていることに気がつかなかったのです。経営能力まで身に付いたと錯覚していました。この3月に倒産した塾経営者は職員の未払い給与もあり、未だ職に就いていないそうです。アメリカは、どんな小さな会社でも、職人と経営する人は分離しています。能力のある職人は、優秀な経営能力を持った人を雇用し、又、経営能力のある人は、優秀な職人を引き抜き、会社運営をしています。日本もそのような時代に入っています。日本には世襲制度がありますが、職人と経営の両方を備えた2代目は多くないと思います。多くの上場企業は、創業者一族の手から離れて、経営能力者の手に・・・・。
今までの内容は、大きな錯覚ですが、身近な錯覚もあります。先月、NHKの番組でもありましたが、20人の一般の人のうち、10人に咄嗟に1×2×3×・・・×8×9の答えを聞きました。同じように10人には9×8×・・・×3×2×1の答えを聞きました。結果は前者が300〜500の間の数字、後者は1000〜1500の間の数字を言いました。頭の中には最初に見た数字が虚像として残り、答えが同じであっても大きな違いになるのです。これは衝動買いの錯覚でもあります。ショーウィンドーに流行の先端を行く高価な品物が並んでいます。その品物に吸い寄せられるように店内に入り、ショーウィンドーより安くて自分に似合う物があると、安い買い物をしたと思い満足するのです。これも最初の大きな数字が頭の中に残っているため、実際は普段より高価な物でも安く感じるのです。
我社の一部にも錯覚を持った職員がいます。電話で問い合わせがあった時、長々と全部話して結果的にご来場してもらえない職員です。電話の問い合わせには、興味を持っていただき、ご来場願うことだけを考えることです。また、面接は相手の話を聞き情報を集めるためにあるのに、自分の教育論、授業論を話し、教育のプロを主張し、自己満足してしまう職員。満足するのはご父母様の方でなくてはならないのに、これも錯覚です。
30分の面接のうち、君は何分喋っていますか?

ページの先頭へ

平成19年 4月号 KEY WORD 〜 5%・3% 〜

3月8・9・10日で鹿児島県の世界自然遺産でもある屋久島に行って来ました。目的は、樹齢7200年と言われる縄文杉を見ることにありました。屋久島は、気候的に日本の縮図と言ってもいいくらいです。島の南側は、鹿児島よりやや暖かく、九州最高峰の宮之浦岳(1935m)は、北海道の旭川市と同じ気温であります。周囲は僅か130kmしかなく、いかにお椀形の島であるか理解できるでしょう。亜熱帯から亜寒帯の気候のため、日本の植物種の70%以上がこの島に存在しているそうです。 島の特徴の2つ目は、火山でできた島ではなく、約1400万年前、地下のマグマが冷え固まって、少しずつ浮き上がってできた、花崗岩の島であるということです。現在でも少しずつではありますが、隆起しているようです。林芙美子が「浮雲」で、屋久島を月に35日雨の降る島と表現しているように、年間降水量は6294.5mm(1999年)です。雨が多くの川を作っていますが、魚は住んでいません。「水清くして魚住まず」です。また天候の変化も大きく、朝・昼の飛行機は離陸していたのに、夕方我々が乗る予定だった飛行機は、急な低気圧の発生で、欠便となり、空港まで来たバスでホテルに引き返し、予定外の一泊となりました。自然の偉大さを思い知らされた4日間でありました。 我々人間が、自然を変えることはできませんが、自然から学ぶことはできます。また、学んだことの中から、法則を見出すことができます。私の自論である5%・3%です。今まで屋久島の自然の雄大さを書きながら、現実の数字に引き戻すのは心苦しいのですが、屋久島の1000年以上の杉は全体の3%であり、他は1000年未満で朽木となります。気候・太陽・水と環境が一致しないと1000年以上の杉はできません。 会社で5%・3%と言うと、創立70周年を祝える会社が全体の5%です。そして100周年を祝える会社は全体の3%で、現在日本では2万社あると言われています。但し、この数字は吸収、MandA等、合併の前の数字ですから、実際にはもっと少なくなっています。我社は創立34年(今年の8月)ですから、統計は出ていませんが、創業50年を祝える会社(法人として)は50%と言われています。プロ野球選手を目指し、億以上の年俸を手にするのは3%、それ以下の年俸でいつも試合に出場できる選手は5%です。相撲でも同じことが言えます。大関以上に登りつめるのは全体の3%です。 外国の教育もこの5%・3%が生きています。日本のように平等ではありません。アメリカの教育は、生徒の5%が国を動かす学生とされ、徹底的に教育されます。そして、3%の学生が政府の中枢を形成するのです。また、人生においても5%・3%は大きな位置を占めています。定年を迎え、まったく年金に頼らず悠々自適に人生を送れる人、または蓄えのある家庭は全体の5%であります。では、3%の人生を送れる人は? それは、ボランティアや収入無き役職に人生観を見出す人だと思います。但し、この論議は幸福感と同じであるとは言っていません。人にはそれぞれの価値観がありますから・・・しかし、経営者はいかに会社を存続させ、利益に導き、利益を社員に還元できるかを常に考えています。 今年の3月に、帝国データバンクから、学習塾・予備校の売り上げランキングが出ました。埼玉県内の同業法人51社中、我社は12位です。一昨年が17位でしたから、5upでしょうが、何としても法人で5%に入りたいと思っています。どうすれば・・・? 今年10%の向上、来年15%の向上で達成できます。(我々規模の会社は、ダンゴ状態ですから。)会社が5%・3%の地位になることは、皆さんの人生が5%・3%の仲間入りをすることです。何故なら、当社の経営の本願は、会社の蓄積よりも、今輝いている人、以前に大きく輝いた人に配分を多くするシステムだからです。輝くとは現状維持ではありません。今、生徒・ご父母・世間は何を求めているか、絶えずアンテナを張り、誰よりも早く察知することです。そのためには机上外の勉強も必要です。 最後に、5%に入るには、少しの努力とぶら下がりをなくせば達成できます。

ページの先頭へ

平成19年 3月号 KEY WORD 〜 常識 非常識 〜

昨年の暮れから、何度か私のところに怪文書が届いています。怪と言っても犯罪に結びつくものではありません。丁寧な言葉使いですが、内容はハードなものです。皆さんは驚くかも知れませんが、「叶齒C」を売って欲しいとのことです。2度目の手紙には数億の値段が記してありました。我社もMandAの対象かと思いきや、その会社はブローカー的な立場で交渉を頼まれたらしいのです。結論から言えば100%売るつもりはありませんが、心の中で「非常識な奴め」と憤慨しました。しかしその会社にとっては非常識ではなく、商売としては常識的なことなのでしょう。相手にとっては非常識であっても、本人にとっては常識であることがあります。昔常識、現在非常識なことも多くあります。私が小学校の頃、有機塩素系のDDTを頭からかけられました。当時は体に害はないと言われていましたが、現在では癌の元と言われています。また部活(運動部)で、汗をかいても水を飲んではいけないと言われましたが、今は逆です。準備運動には、必ず蛙とびが入っていましたが、今は膝を痛めるから禁止になっています。私が商社に勤めていた60年代、ビル建設には必ずアスベストが使用されていました。アスベストは安く、軽く、保温に優れ、使用しないと設計ミスのごとく言われ、「奇跡の建材」としてもてはやされました。しかし、今は肺癌の元として、裁判沙汰になっています。 地域によっても常識非常識があります。東京ではエスカレーターの右側を歩いてもいいが、大阪では逆で、左側を歩いて上るのが常識です。選挙権も50年代は、多くの国で20才でしたが、今や殆どの国が18才となりました。隣の国韓国も、昨年18才となり、20才なのは日本くらいになってしまいました。選挙権が20才は日本の常識であって、世界の非常識になっています。米国の選挙権18才は、ベトナム戦争が大きくかかわっていることは、よく知られたことです。選挙と言えば、以前知事は男性が務めるのが常識でしたが、今や、5人の女性知事が活躍しています。最近では宮崎の知事が、まさかの大差で当選しました。ベルリンの壁は崩壊しないのが常識でしたが・・・常識と非常識とは、何なのでしょう?私立大学の両雄として慶応大学と早稲田が挙げられますが、この2つの大学はなぜ両雄なのでしょうか?歴史があるからでしょうか?慶応大学は1858年創立、早稲田大学は1882年創立。しかし駒澤大学は1592年創立です。関が原の戦いが1600年ですから、歴史から言えば駒澤大学の方がはるかに古い大学です。また、慶応大学と早稲田大学の創立の間24年間に多くの現大学が誕生しています。慶応は創立時蘭学中心でしたが、英語中心の授業に変えました。(当時は非常識なことであった)私はこの慶応より後発の早稲田が、何故「雄」になったかを知ってもらいたいと思います。もともと大学は男子のためのものでしたが、早稲田大学は全学部で女子の入学を許可しました。他大学からは、非常識と言われ、学生が集まらない、学習の質が低下すると非難されました。しかし、優秀な女子が入学し、質の低下とは逆な結果となりました。60年代には、アジアを中心に外国人にも門戸を開き、多くの生徒を招きました。その時も他大学は、授業の質の低下や犯罪の心配を挙げ、非常識な行動と非難しました。各国の優秀な青年が入学し、卒業と同時に、それぞれの国に帰り、自国の中心者として働いています。他大学が外国人に門戸を開いたのは、それから15年後のことでした。また、80年代には、社会人枠を設け、働きながら勉強したい人や、再度勉強したい社会人にも、別入試と自己推薦で入学できる制度を作り上げました。今や全大学で社会人枠があります。私大の雄として輝いている早稲田大学は、非常識の中の小さな常識を見つけて、大きな常識にして行ったのです。世間の非常識を常識に変えたのです。そこが歴代の学長の力であり、伝統なのでしょう。 あなたの考えている非常識は、来年常識になるかもしれません。生徒募集・授業・プリント・宿題・解説、あなた個人の常識を見直して欲しい。 「自分の持っている常識を疑ってみる」

ページの先頭へ

平成19年 2月号 KEY WORD 〜プロフェッショナル〜

「プロフェッショナル」と聞くと、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。ゴルゴ13だったり、黒澤明監督だったりしませんか?広辞苑をひも解いてみると「専門的」「職業的」「職業としてそれを行う人」と記されています。巨匠や人間国宝の方々がプロフェッショナルだと思いがちですが、私はもっと幅を広げて、我々の身近なプロフェッショナルについて話したいと思います。今回の定義として「職業において1円でも報酬を貰えばプロである」(OIRON語録より)とします。それを3つの観点から見てみましょう。 まず、1番目に「時間」を取り上げます。プロとして上位に君臨し、多くの物を得ている人は、時間に厳しいと思われます。時間はお金と異なり蓄えることはできません。ただ使うだけです。待ち合わせ場所を間違えれば、すぐ引き返し訂正できますが、この時間は二度と帰って来ません。また、大富豪であっても貧しい人であっても、楽しい時であっても悲しい時であっても、体感は異なるかもしれませんが、時間は平等に訪れるものです。言い換えれば地球上の全ての者・物が自由に使えるのが時間です。それだけに真の時間と偽の時間(時間泥棒)に注意する必要があります。 偽の時間とは何でしょうか?昨年の暮れ、ある塾で体験したことです。授業時間はパンフレットと時間割に120分と書いてありました。120分の授業で生徒は緊張感が保てているのかと思っていると、間に15分の休憩が入っていました。保護者の方は120分としての月謝を支払い、時間講師は120分の給与を受け取っています。しかし生徒は105分の授業しか受けていません。その上、約2km先に同経営の塾があり、講師は2つの塾の掛け持ちで授業をしています。授業と授業の間に10分の休憩がありますが、移動には15分〜20分かかります。両校とも同じ時間割ですから、講師は少なくとも5分〜10分遅れます。クラスが10人ならば、遅刻で5分×10人=50分、15分の休憩×10人=150分。しかし、金銭的には何も変わりません。これを私は偽の時間と呼んでいます。偽りの時間は、経営者やその行為を行っている人には気付きにくいかもしれませんが、体験している生徒や保護者の方は気がついてきます。時間は平等に訪れますが、真の時間か偽りの時間かは、それぞれの行動が決めることです。 2番目は「場を読む」ことです。1つの例を挙げましょう。民放テレビは、朝から夜までコマーシャルで運営されていますが、コマーシャルの内容は朝・昼・夜で異なっています。トヨタ自動車は、午前中は主婦向けの車、夕刻からアダルト向けの車、夜遅くなるとヤング向けの車、としているそうです。提供する番組でも変えています。では、塾で「場を読む」とは何でしょうか。退塾報告書の中に「先生が変わったから退塾した」という理由がよくあります。またある講師が「あの生徒は自分が教えないとやめると言っている」というのもよく聞く言葉です。これらは場を読めないアマチュアで、プロフェッショナルではありません。個人で経営し、自分ひとりで教えているならば通用する話ですが、我社は法人であり組織で動いています。人事異動で生徒がやめるのは想定外の出来事です。これは教室内で職員同士がT‐UPしていないことが大きな要因です。T‐UPとは自分以外の職員の良いところを時あるごとに褒めることです。○○先生は自分よりこんな資格があり、すごい人だ、というように。人間、他人の自慢話は聞きたくないものですが、他の人が褒めれば本気にするものです。特に、教室長や塾長が褒めると、生徒の耳に素直に入っていきます。担当が変わる時にUPがあるか無いかで大きな差になってきます。誰でも褒められて悪い気はしないでしょう。逆を言えば、教室内で職員同士のトラブル、上司からの小言は厳禁です。 3番目は知識です。これは説明するまでもない事だと思いますが、以前ある塾で生徒の質問に答えられない先生を見たことがあります。ここからは我々の職業に限ったことですが、教えるプロフェッショナルと教わるプロフェッショナルがあります。これは説明が難しいので、次に紹介する本を是非読んでいただきたい。本の内容は、いじめと勉強嫌いで、小学校・中学校の通知表はオール1、中3の時かけ算の九九は2の段まで、漢字は自分の名前だけ、英語はBookしか知らない男性が、24才になって学問に目覚め、定時制高校に通い、名古屋大学工学部に現役で合格。その後大学院を経て現在高校の教師となった宮本延春氏と、指導した先生の本です。題目は「オール1の落ちこぼれ教師となる」(角川書店)宮本延春著。プロフェッショナルが溢れていて、面接や進学相談会に使える内容です。是非読んでください。

ページの先頭へ

平成19年 1月号 KEY WORD 〜計〜

  私の元旦は、受験生の合格祈願の短冊451体を持参して、三重県にある「頭之宮参拝」から始まりました。手を合わせながら、全員の合格通知が届くことと、冬期講習の成果が生徒の将来に大きな力となることを祈りました。 1年の計は元旦にあり、と言われていますが、今年の我社の計は、会社内部における計、会社と従業員の計、従業員と生徒の計、この3つに分けられると思います。会社内部における計では、組織の確立です。組織の確立と聞くと部長がいて、課長がいて、そして係長が・・・と思うでしょうが、私の言う組織は役職人事ではありません。あらゆる所にあらゆる事にすぐ対応できる体制を作ることです。詳しい内容は、私達役員が今まで積み上げたものを形にして皆さんに示すことだと思います。この項目は既存の形態にとらわれず、我社独自のものが必要です。いかに規模が小さくても上場企業に負けないものを作ることです。そのために、今一度考えたいのです。職員の配置はこれでいいのか?上に立つものに計はあるのか?それぞれの予算の分配はこれでいいのか? 三是以外は全て見直したいと思います。又、会社と対外的には、顧問を依頼している弁護士・社会労務士・税理士・証券会社・監査法人・取引している銀行等も、2010年を目標に見直すつもりです。相手がいるだけに最も難しいと思われますが、私は難題を解決するために会社から給料をもらっているのです。解決のためには、職員の皆さんに苦労をかけたり助言をもらったりすることになると思いますが、どうか協力してください。 会社と従業員との計について、私の経営の基本とも言える言葉があります。それは「受益者負担」です。受益とはお金であったり、やりがいであったり、気持ちであったりします。職員の皆さんが喜ぶこと全てです。受益があれば負担は必ずあります。例えばあなたが新しく役職についたならば、知恵・知識・部下の統率等が負担です。給与が上がれば、利益を上げることが負担となります。あなたが出席したセミナーの内容は受益です。その内容を会社に報告し、取り入れることができる事柄を披露することは負担です。当社では、職員の検定試験全てに、全額ではありませんが負担金を提供しています。資格を得る利益は、あなたにとって履歴書に記載できるし転職にも役に立つでしょう。取得した資格を、会社や生徒指導に生かすことがあなたの負担です。 負担と聞くと損をしたと思うでしょうが、違います。受益と負担は一体であり、受益のあるところに負担は必ずあります。負担だけがクローズアップされますが、逆に言えば、負担のあるところに必ず受益はあります。以前、月謝等の安売りをするな、と言いましたが、これも受益者負担が基にあります。皆さんは最高の授業を生徒に提供しているはずです。最高のものにはそれなりの負担をしてもらうのは当然です。 最後に、従業員と生徒の計ですが、これは挨拶に始まり挨拶で終わります。職員同士、生徒同士、職員と生徒の間、入室時・退出時の挨拶はよく聞かれます。「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」「お疲れ様」「お先に失礼します」「さようなら」私はこれらの挨拶に今年はもう一つ加えたいと思います。それは「ありがとう」です。まず職員同士から上下の関係なく、ペンを1本借りたり、物を取ってもらったりした時「ありがとう」と言いましょう。職員と生徒の間でも、職員から生徒へ、生徒から「先生、今日はありがとう」(私が現役の時はよく聞かれた言葉ですが・・・)そして生徒同士にも広げていきたいと思います。先ずは教室の中から始めましょう。職員全員が教室から外へ、家庭へ、友人へ。かつて私の師であるDr Coxは、「高速道路の料金所の係員は、一日で一番多くの人と対面する職業である。あなたの一言である『ありがとう』で、次のお客に接する時の態度が変わる」と、言っていました。 今、私たちには何か欠けていませんか?そう「ありがとう」です。形の見えない「美しい日本」より形の見える美しい言葉です。 そして、今年の標語努力とは、見えない所でするのが美しい。見える所でする努力は美しくない。

 

           

このサイトに掲載されている記事・写真・図表などの無断転載を禁じます。
Copyright c 2001-2006 sensyu-grp.com all rights reserved.